Media Business メディア事業
成長戦略
インターネット産業において、メディア事業は高収益なビジネスモデルと捉えています。2004年から国内最大のブログサービス「Ameba」の提供を開始、2016年には新しい未来のテレビ「ABEMA」を開局しました。「ABEMA」では、開局当初からコンテンツ制作および調達等へ積極的に投資を続け、メディアとしての存在感を高めています。
新規事業の創出とグループシナジー
広告収入と課金収入を主な収益モデルとする「ABEMA」。その集客力や高い技術力を生かして周辺事業も拡充しています。
競輪・オートレースのインターネット投票サービス「WINTICKET」は、後発ながらも「ABEMA」との親和性の高さやマーケティング力が奏功し、現在はインターネット競輪投票においてトップシェアに。「ABEMA」の放送技術などを生かし独自の競輪映像を提供 するなど、新規ユーザーの拡大を図っています。
また、コンサートや格闘技を都度課金で視聴できる「ABEMA PPV」や、東京ドームのチケットが完売した「Creator Dream Fes ~produced by Com.~」をはじめエンターテインメント興行を専門に行う「興行本部」、オリジナルグッズを販売する「Cyber Goods Store(サイバーグッズストア)」などを展開。
加えて、藤井道人氏をはじめとする気鋭のクリエイターが所属するコンテンツスタジオ(株)BABEL LABEL、2.5次元ミュージカルにおいてトップランナーである舞台制作会社(株)ネルケプランニング、「刀剣乱舞」をはじめゲーム・アニメ・小説・イラストなど幅広いジャンルでコンテンツ制作を手掛ける(株)ニトロプラスが、グループに参画するなど、メディアミックス戦略でのIPビジネスにも積極的に取り組んでいます。
多様なサービスを生み出す創出力を武器に、 「ABEMA」を中心としたグループシナジーを最大限に生かすことで高収益なメディア事業を目指します。
※「SGE」:Cygamesを除く当社グループのゲーム・エンターテイメント事業部の略称
【Copyrights】
「刀剣乱舞」:©2015 EXNOA LLC/NITRO PLUS
メディア事業を高成長、高収益に
(株)AbemaTV 取締役COO
山内 隆裕
私は、広告事業やeスポーツ事業の立ち上げを経て、2017年から「ABEMA」の関連事業であるアニメファンドへの出資やファンコミュニティアプリの開発、興行事業の新設など、新たなエンターテインメントビジネスを推進した後、2023年9月に(株)AbemaTV 取締役COOに就任しました。
就任1年目にはまず、主要メンバーに限らず多くの人材と1対1でミーティングを行い、組織課題の抽出からその課題解決に取り組みました。
サイバーエージェントは人的資本を重視した経営を行っていますが、メディア運営においても、人材が競争力の源と考えています。特に人材が生み出すクリエイティビティは、サービスのクオリティや技術力に直結するため、これを最大限に引き出すことが重要と考えています。そこで、多くの人材が主体的に取り組める仕組みとして、ゼネラルマネージャー制を導入。次世代人材の決断経験を増やすことで、さらなる事業と組織の拡大に備えた体制を構築しました。
今年で開局8周年となる「ABEMA」は、週間視聴者数が3,000万人※を超え、高品質で安定した配信や、時間や場所に縛られない利便性を強みに、目指していた社会的インフラとして機能してきたことを実感しています。
マネタイズの強化にも取り組み、戦略的提携先の開拓、ミドル顧客をターゲットにした広告商品の開発や、デジタルとリアルを掛け合わせたイベントの新たな収益モデルの展開等を進めてまいりました。
「ABEMA」で人気のアニメにおいては、無料視聴をベースとした「ABEMA」でしか提供できないマーケティング効果等を提供することで、コンテンツホルダーや制作会社との関係性を少しずつ築いています。
大人気アニメ「【推しの子】」や「呪術廻戦」にも出資等の関係を持たせていただくなど、権利の運用や制作工程における様々な経験を積みながら、主幹事作品を増やしているところです。アニメのヒット作は、海外映像権の販売やゲーム、グッズ、イベントなど、多層的な収益に繋がるため、大きなビジネスチャンスと捉え、引き続きコミットしていければと思います。
また、中長期的には「ウマ娘 プリティーダービー 」のクロスメディア展開のような、ゲーム化を視野に入れたオリジナルアニメIPの創出に着手し始めました。当社は、グループ参画した企業を含めIPを創出する力があり、またIPをマネタイズする土壌があります。今後一層「ABEMA」の集客力を生かしたメディア事業全体のシナジーを強化し、高収益なビジネスモデルの構築に尽力してまいります。
※ 週間視聴者数3,000万:2024年9月9日(月)から2024年9月15日(日)の期間における1週間の視聴者数
【Copyrights】
「【推しの子】」:© 赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
「呪術廻戦」:©芥見下々/集英社・呪術廻戦製作委員会
「ウマ娘 プリティーダービー」:© Cygames, Inc.
特集 「ABEMA」の現在地
WAU※1 3,000万人、
社会インフラとしての広がり
テレビのイノベーションを目指し"新しい未来のテレビ"として展開する動画配信サービス「ABEMA」。2016年にゼロから立ち上げ、今年で開局から8周年となりました。
20年以上インターネットサービスを提供してきた経験から、集客力のあるメディアのマネタイズは可能と考え、「ABEMA」の最重要指標はWAUとしてきました。
高い映像クオリティを担保しながらもスピード感をもって開発を進めるため、技術力も強化しています。
2022年11月に放送した「FIFA ワールドカップ カタール 2022」では、国内のインターネット配信において最大規模の同時接続数ながら、安定した映像提供を実現。加えて、マルチアングル映像等の「ABEMA」独自の視聴体験を提供することで、開局史上最高の3,000万WAUを突破し、大きな話題となりました。
以降、2024年度も約3,000万WAUと高い水準を継続。視聴者層が拡大し、いつでもどこでも繋がる社会インフラとしての認知が広がっています。
※1 WAU:1週間あたりの利用者数(Weekly Active Users)
※22024年9月9日(月)~9月15日(日)の期間における1週間の視聴者数
「ABEMA」の特長
群雄割拠な動画配信サービスとは一線を画し、「無料・生中継・同時性・報道・利便性」という独自の「新しい未来のテレビ」を目指す「ABEMA」。約25チャンネルを24時間365日無料で放送し、リニア視聴は52%、オンデマンド視聴は48%とほぼ半々となり、スマートフォン、PC、タブレット、テレビなど様々なデバイスから視聴可能です。時間や場所にとらわれないライフスタイルに合わせた視聴体験を提供しています。
「ABEMA」の人気ジャンル 高いWAUを構成する
4つの人気ジャンルをご紹介します。
4つの人気ジャンルをご紹介します。
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アニメ
開局当初から不動の人気を誇るアニメ。現在10チャンネルを設け、幅広いアニメのラインナップに加え、特番や声優番組など、作品と視聴者を繋ぐコンテンツ等も提供し、アニメファンから高い支持を受けています。 現在は新作アニメの先行配信だけではなく、公式無料チャンネルの新設等を実施。アニメ制作段階から出資等の関係性を持つことで「ABEMA」でしか実現できない取り組みを数多く実施しています。
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スポーツ
メジャーリーグベースボール(MLB)や、「FIFA ワールドカップ」に次ぐ世界最高峰のサッカー大会とも称され、高い人気を誇る「UEFA EURO 2024」の日本史上初となる全試合無料生中継、さらに大相撲やK-1、プロレスなど、多種多様な競技のスポーツ中継を実施。安定して高品質な映像配信や独自機能により「ABEMA」だからこそ楽しめるスポーツ視聴体験を提供しています。 2023年6月以降、調達費用が高騰しやすいスポーツコンテンツの拡充にむけた戦略的提携を強化しています。KDDI(株)とのパートナーシップ締結や、「ABEMA de DAZN」、「ABEMA de WOWSPO(商品名:WOWSPO)」、「ABEMA de J SPORTS」の提供により世界最高峰のスポーツの視聴が可能に。国内外のスポーツの魅力を届けることでスポーツ産業のさらなる発展に貢献していきます。
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報道・ニュース
24時間365日放送しているニュース専用チャンネルを配信。災害時のニュースや世の中の関心が高い記者会見等、流動的にチャンネル構成や番組編成できるインターネットサービスならではの強みは、社会インフラとしての機能を果たし、類をみないサービスとして進化。「なにかあればABEMA」という視聴習慣を確立しました。
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オリジナル番組
世界に通用する「最高品質」のコンテンツ力を目指し、バラエティ、恋愛番組、ドラマなどオリジナル作品の制作にも注力。連結子会社の(株)BABEL LABELや社外の優秀なクリエイターとの企画・制作も強化しています。 「ABEMA」での配信に留まらず、世界水準の制作力を培うべく「Netflix」と戦略的パートナーシップを締結。トレンドを捉えた独自の切り口を強みに、世界クオリティのコンテンツ制作を目指します。